TA Legal Education

司法試験・予備試験合格のためのHow toをClearかつConciseに伝えます。

2022-01-01から1年間の記事一覧

「申請に対する処分」該当性の論じ方

申請に対する処分は行政手続法第2条第2号および同条第3号により定義づけられ、同法第2章に規定があります。司法試験・予備試験において「申請に対する処分」該当性が問われた際には論じ方に工夫が必要となります。 |「処分」と「申請に対する処分」の関…

表現行為と萎縮的効果(特定表現に対する不利益取り扱い)

H27年司法試験憲法の出題趣旨より引用です。私人が特定の表現行為を行ったことにより不利益な取り扱いを受けた場合に「一般に当該問題について意見等を述べることを萎縮させかねないこと(表現の自由に対する萎縮効果)をも踏まえた検討」することが求めら…

「剣道」の不受講判決を読む

最高裁平成8年3月8日第二小法廷判決について検討します。この判決は、エホバの証人に入信している学生Xが、信仰上の理由により、剣道の授業を受講しなかったところ、これについて代替措置が講じられず、欠席扱いとなった結果、原級留置処分とされた事案…

予備試験択一試験お疲れさまでした

司法試験予備試験受験生の皆様、択一式試験お疲れさまでした。さっそく自己採点を行っているところかと思います。択一に合格した場合、論文式試験までの時間は限られています。その間に、択一に傾いた「思考の癖」を論文に戻さなければなりません。まずは択…

別件逮捕・勾留の論じ方

司法試験でも出題歴のある「別件逮捕・勾留」の論じ方について検討をしてみます。 |問題の所在を把握する 「別件逮捕・勾留」の論点は、要するに、「A罪の捜査という目的でB罪を理由に身柄拘束をしてよいのか」という問題意識です。すなわち、捜査官の主…

無効確認訴訟の補充性要件を考える

司法試験でも出題歴のある無効確認訴訟の補充性要件について検討します。この論点は一見わかりやすそうで実は分かりにくいのできちんと内容を整理して押さえておく必要があります。 |根拠条文を確認する まずは無効確認訴訟の補充性要件の根拠条文を確認し…

論証の理由付けを原則省略するという意識

現行司法試験との関係で、私は「論証の理由付けを原則省略する」という意識を持つことを推奨しています。その理由は以下の通りです。 | 途中答案を回避する必要 現行司法試験は2時間という長時間の中で最大8ページの答案を書くことになります。これは受験…

処分性検討における「権利救済の実効性」の位置づけ

処分性(行政事件訴訟法3条2項)検討における「権利救済の実効性」の位置づけについては諸説あります。中には、①公権力性、②直接具体的法効果性、③権利救済の実効性の3要件で処分性を検討するべきであるという立場もあるようですが、①②が明らかに認められ…